天界の秘義 #6534

By Emanuel Swedenborg

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6534. 「騎兵たちも上った」とは、理知的なものを意味します。「騎兵たち(ウマ乗り)」とは、理性に属することがらを意味します。「ウマ」が理知的なものを指すためです(2760-2762,3217,5321,6126節)。なお「騎兵(ウマ乗り)」が理性に属することがらを示すことは,次の箇所からも明らかです。モーセの書にあります。

「エホバおひとりがかれを導かれ、・・・地の高い所をウマに乗って行かせられた」(申命記 32:12,13)。

上掲は、古代教会を視野にいれています。「地の高い所をウマに乗って行かせる」とは、高い次元の理性を与えることです。

② ダビデの書には次のようにあります。

「あなたは威厳をもって、上りなさい。真理、柔和、正義の言葉をウマ乗りにして来なさい。あなたの右の手は、あなたに驚くべきことを教えるであろう」(詩篇 45:4)。

上掲は、主をテーマにしています。「真理の言葉をウマ乗りにして来る」とは、真理の理解そのものに留まることを指します。同じく、

「神に向かって歌え。そのみ名を褒め称えよ。雲の上をウマに乗って行く方をほめたたえよ。その方のみ名は、ヤー (エホバ)である」(詩篇 68:4)。

上掲も主がテーマです。「雲」とは、〈みことば〉の文字上の意味です(創世記第18章序文、4060,4391,5922,6343節)。「雲の上をウマに乗って行く」とは、内的意味に留まって、真理を理解し、英知で味わう人々を指します。

③ ゼカリヤ書には次のようにあります。

「その日には、わたしはすべてのウマを撃って意気消沈させ、その騎手を驚愕させる。わたしはユダの家にたいし、わたしの目を開く。諸国民のウマをことごとく撃って、目を見えなくする」(ゼカリヤ 12:4)。

「ウマ」とは、理知的なもの、「騎手」は、理性を意味します。ここで「ウマ」と言っても実際のウマではなく、「騎手」と言っても実際の騎手ではないことは、だれにでも分かります。意気消沈、驚愕、盲目によって、打撃をこうむるものを指します。これが理性に属することがらであることは明白です。

④ 「ウマ」や「騎手」は、理知的なものを指し、反対の意味では、詭弁的推論と、それ由来の諸偽りを指します。ヨハネの書から、明らかです。

「わたしが見ていると、見よ、白いウマがいて、その上に弓をもった人が乗っていた。かれには冠が与えられ、勝利して進んできた。・・・そのとき、別の赤いウマが出てきた。それに乗った者に、地の平和を取り除くことが許され、たがいに殺しあうため、大きな剣が与えられた。・・・わたしが見ていると、見よ、黒いウマが出てきたが、それには手に秤を持った者が乗っていた。・・・さらにわたしが見ていると、見よ、青白いウマがいて、それに乗った者がおり、その名は死であった」(黙示録 6:2,4,5,8)。

上掲の一語一語から明らかです。つまり「ウマとウマに乗った者」とは、真理の理解にかんする事柄を指し、その反対の意味では、偽りにかんする事柄を指します。「白いウマとそれに乗った者」は、〈みことば〉に根ざす真理理解です。「白いウマに乗った者」とは、〈みことば〉の面から見た主であることは、黙示録 19:11,13,16に明言されています。

「赤いウマとそれに乗った者」は、悪の欲情に根ざした詭弁的推論を指します。それによって、〈みことば〉からの諸真理に暴虐が加えられます。「黒いウマとそれに乗った者」とは、真理の理解力を消滅させていることを示します。「青白いウマとそれに乗った者」とは、以上に由来する断罪を指します。

⑤ 「ウマとそれに乗った者」とは、その対立した意味では、倒錯した理性、およびそれに由来する諸偽りを指します。エゼキエル書には次のようにあります。

「アホラは、わたしのもとにいて不倫をした。かの女は自分の恋人を愛した。・・・長官、指揮官、願わしい若者全部と、ウマに乗る騎手である。・・・その妹のアホリバは、アッスリヤの息子たちを恋した。長官、指揮官、近所の人々、盛装した人々、ウマに乗る騎手たち、願わしい若者全員はそうであった」(エゼキエル 23:5,6,12)。

「アホラ」とは、倒錯した霊的教会、すなわちサマリヤを指し、「アホリバ」は、倒錯した天的教会、すなわちエルサレムを指します。サマリヤにいるイスラエル人は、霊的教会を表わし、エルサレムにいるユダヤ人は、天的教会を表わしました。「アッスリヤ人」や「アッスリヤ人の息子たち」は、信仰の諸真理に対抗する詭弁的推論を指し(1186節)、「ウマに乗る騎手」は、倒錯した理性、つまりは偽りを指します。

⑥ ハバクク書には次のようにあります。

「わたしは、カルデヤ人を起こす。かれらは、粗野で無法な民族であって、自分のものではない居住地を相続地にしようと、広い土地にまたがる。・・・そのウマは、ヒョウよりも身軽で、夕方のオオカミより鋭敏である。その騎兵は広く行きわたる。そのため騎兵は、遠方からやってくる」(ハバクク 1:6,8)。

「カルデヤ人」とは、諸偽りに漬かっている人々です。外部では、諸真理のなかにいるように見えますが、それも真理を冒涜するためです。「バベル(バビロン)」とは、善の冒涜を意味します(1182,1368節)。「広い土地にまたがる」とは、諸真理を崩壊させることです。「広い土地」とは真理を指します(3433,3434,4482節参照)。したがって「騎兵は広く行きわたり、遠方からやってくる」とは、倒錯した理性に属する事柄、結局は、諸偽りを指すことが分かります。

  
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Many thanks to Arcana Press for their permission to use this translation online.