列王記上 22

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1 スリヤとイスラエルの間に戦争がなくて年を経た。

2 しかし年目にユダの王ヨシャパテがイスラエルの王の所へ下っていったので、

3 イスラエルの王はその家来たちに言った、「あなたがたは、ラモテ・ギレアデがわれわれの所有であることを知っていますか。しかもなおわれわれはスリヤの王のからそれを取らずに黙っているのです」。

4 彼はヨシャパテに言った、「ラモテ・ギレアデで戦うためにわたしと一緒に行かれませんか」。ヨシャパテはイスラエルの王に言った、「わたしはあなたと一つです。わたしの民はあなたの民と一つです。わたしのはあなたのと一つです」。

5 ヨシャパテはまたイスラエルの王に言った、「まず、主の言葉を伺いなさい」。

6 そこでイスラエルの王は預言者人ばかりを集めて、彼らに言った、「わたしはラモテ・ギレアデに戦いに行くべきでしょうか、あるいは控えるべきでしょうか」。彼らは言った、「上っていきなさい。主はそれを王のにわたされるでしょう」。

7 ヨシャパテは言った、「ここには、われわれの問うべき主の預言者がほかにいませんか」。

8 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「われわれがに問うことのできる人が、まだひとりいます。イムラのミカヤです。彼はわたしについて良い事を預言せず、ただ悪い事だけを預言するので、わたしは彼を憎んでいます」。ヨシャパテは言った、「王よ、そう言わないでください」。

9 そこでイスラエルの王は役人を呼んで、「急いでイムラのミカヤを連れてきなさい」と言った。

10 さてイスラエルの王およびユダの王ヨシャパテは王のを着て、サマリヤのの入口の広場に、おのおのその王座にすわり、預言者たちは皆その預言していた。

11 ケナアナのゼデキヤはを造って言った、「はこう仰せられます、『あなたはこれらのをもってスリヤびとを突いて彼らを滅ぼしなさい』」。

12 預言者たちは皆そのように預言して言った、「ラモテ・ギレアデに上っていって勝利を得なさい。はそれを王のにわたされるでしょう」。

13 さてミカヤを呼びにいった使者は彼に言った、「預言者たちは一致して王に良い事を言いました。どうぞ、あなたも、彼らのひとりの言葉のようにして、良い事を言ってください」。

14 ミカヤは言った、「は生きておられます。がわたしに言われる事を申しましょう」。

15 彼が王の所へ行くと、王は彼に言った、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦いに行くべきでしょうか、あるいは控えるべきでしょうか」。彼は王に言った、「上っていって勝利を得なさい。はそれを王のにわたされるでしょう」。

16 しかし王は彼に言った、「幾たびあなたを誓わせたら、あなたは主の名をもって、ただ真実のみをわたしに告げるでしょうか」。

17 彼は言った、「わたしはイスラエルが皆、牧者のないのように、に散っているのを見ました。するとは『これらの者は飼がいない。彼らをそれぞれ安らかに、そのに帰らせよ』と言われました」。

18 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「彼がわたしについて良い事を預言せず、ただ悪い事だけを預言すると、あなたに告げたではありませんか」。

19 ミカヤは言った、「それゆえ主の言葉を聞きなさい。わたしはがその玉座にすわり、天の万がそのかたわらに、右左に立っているのを見たが、

20 は『だれがアハブをいざなってラモテ・ギレアデに上らせ、彼を倒れさせるであろうか』と言われました。するとひとりはこの事を言い、ひとりはほかの事を言いました。

21 その時一つの霊が進み出て、主のに立ち、『わたしが彼をいざないましょう』と言いました。

22 は『どのような方法でするのか』と言われたので、彼は『わたしが出て行って、偽りを言う霊となって、すべての預言者に宿りましょう』と言いました。そこでは『おまえは彼をいざなって、それを成し遂げるであろう。出て行って、そうしなさい』と言われました。

23 それでは偽りを言う霊をあなたのすべての預言者に入れ、またはあなたの身に起る災を告げられたのです」。

24 するとケナアナのゼデキヤは近寄って、ミカヤのほおを打って言った、「どのようにして主の霊がわたしを離れて、あなたに語りましたか」。

25 ミカヤは言った、「あなたが奥の間にはいって身を隠すそのに、わかるでしょう」。

26 イスラエルの王は言った、「ミカヤを捕え、のつかさアモンと、王のヨアシの所へ引いて帰って、

27 言いなさい、『王がこう言います、この者を獄屋に入れ、わずかのパンをもって彼を養い、わたしが勝利を得て帰ってくるのを待て』」。

28 ミカヤは言った、「もしあなたが勝利を得て帰ってこられるならば、がわたしによって語られなかったのです」。また彼は言った、「あなたがた、すべての民よ、聞きなさい」。

29 こうしてイスラエルの王とユダの王ヨシャパテはラモテ・ギレアデに上っていった。

30 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「わたしは姿を変えて、戦いに行きます。あなたは王のを着けなさい」。イスラエルの王は姿を変えて戦いに行った。

31 さて、スリヤの王は、その戦車長三十二人に命じて言った、「あなたがたは、小さい者とも大きい者とも戦わないで、ただイスラエルの王とだけ戦いなさい」。

32 戦車長らはヨシャパテを見たとき、これはきっとイスラエルの王だと思ったので、身をめぐらして、これと戦おうとすると、ヨシャパテは呼ばわった。

33 戦車長らは彼がイスラエルの王でないのを見たので、彼を追うことをやめて引き返した。

34 しかし、ひとりの人が何心なくをひいて、イスラエルの王の胸当と草摺の間を射たので、彼はその戦車の御者に言った、「わたしは傷を受けた。戦車をめぐらして、わたしを戦場から運び出せ」。

35 その戦いは激しくなった。王は戦車の中にささえられて立ち、スリヤびとにむかっていたが、ついに、夕暮になって死んだ。傷のは戦車の底に流れた。

36 日の没するころ、軍勢の中に呼ばわる声がした、「めいめいそのへ、めいめいそのへ帰れ」。

37 王は死んで、サマリヤへ携え行かれた。人々は王をサマリヤに葬った。

38 またその戦車をサマリヤの池で洗ったが、がそのをなめた。また遊女がそこで身を洗ったが言われた言葉のとおりである。

39 アハブのそのほかの事績と、彼がしたすべての事と、その建てた象牙と、その建てたすべてのは、イスラエルの王の歴代志の書にしるされているではないか。

40 こうしてアハブはその先祖と共に眠って、そのアハジヤが代って王となった。

41 アサのヨシャパテはイスラエルのアハブの年にユダの王となった。

42 ヨシャパテは王となった時、三十五歳であったが、エルサレム二十五年世を治めた。そのの名はアズバといい、シルヒの娘であった。

43 ヨシャパテは父アサのすべての道に歩み、それを離れることなく、主のにかなう事をした。ただし高き所は除かなかったので、民はなお高き所で犠牲をささげ、香をたいた。

44 ヨシャパテはまたイスラエルの王と、よしみを結んだ。

45 ヨシャパテのその他の事績と、彼があらわした勲功およびその戦争については、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。

46 彼は父アサの世になお残っていた神殿男娼たちをのうちから追い払った。

47 そのころエドムには王がなく、代官が王であった。

48 ヨシャパテはタルシシのを造って、金を獲るためにオフルに行かせようとしたが、そのはエジオン・ゲベルで難破したため、ついに行かなかった。

49 そこでアハブのアハジヤはヨシャパテに「わたしの家来をあなたの家来と一緒にで行かせなさい」と言ったが、ヨシャパテは承知しなかった。

50 ヨシャパテはその先祖と共に眠って、父ダビデの先祖と共に葬られ、そのヨラムが代って王となった。

51 アハブのアハジヤはユダの王ヨシャパテの第十七年にサマリヤでイスラエルの王となり、二年イスラエルを治めた。

52 彼は主のの前に悪を行い、その父の道と、そのの道、およびかのイスラエルに罪を犯させたネバテのヤラベアムの道に歩み、

53 バアルに仕えて、それを拝み、イスラエルのを怒らせた。すべて彼の父がしたとおりであった。